市川五行歌会

房総文学の発祥の地、市川市で2008年春に発会しました。

第108回「市川五行歌会」(投稿作品集)


投稿歌1首(題詠「素」もしくは自由詠)

 

<題詠「素」>

 

亡母と

重ね合わす

思いも身も

「私の素」

作ったひとだから           かずみ

 

「不要不急」とは申せ

カラオケも

歌会も

コンサートも

元気の素              田川宏朗

 

素足で走って

金メダル

エチオピアアベベ

再びの東京五輪

期待高まる             酒井里子

 

手紙に綴られた

素直な気持ち

文面に表れた

必死なほどの

思いやり              中澤京華

 

<自由詠>

 

こんな立派なお城に

住みたいと

思った途端

波にさらわれる

砂の城               高原郁子

 

鎮もれる

原始の森が

響(とよ)むとき

月光領に

蠢く魑魅(すだま)          一歳

 

あっけなく

なんとも

カンタンな

終わりって

ただそれだけ           うみやま 

 

捩れた

午後には

ココアを入れる

解は

湯気の中に            佐々木斐都

 

美容室閉店で

ぼさぼさの髪

結んで

揺れる

コロナストレス            彩葉

 

<投稿者>
一歳、彩葉、うみやま、 かずみ、酒井里子、佐々木斐都、
高原郁子、田川宏朗、中澤京華
 

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第百八回「市川五行歌会」
 
 
 
*次回は2020年9月12日(土)に開催予定。
題詠及び開催場所と時間は8月頃にお知らせします。