投稿歌;(題詠「色」)
題詠一首、自由詠一首の合わせて二首、もしくは題詠か自由詠のどちらか一首。
<題詠「色」>
褪せてくすんで沈んだ
こんな世界の片隅から
こんこんと
静かに静かに
色は目覚め始めた うみやま
萌黄色のそらまめ
塩ゆでし一粒一粒
口にほうり込む
子どもの頃の夕餉は
醤油煮のお多福豆 かずみ
映像でもいい
月食よりも
みんなで見て
幸せになろう 酒井里子
何て明るい
バタの色
朝の食卓に過る
微かな翳をも
ぬりこめる 佐々木斐都
雲を流すのは
誰か
緑に音をつくるのは
誰か
夏風 彩葉
鮮やかな虹の色彩
広がる夢の余韻
心に残し
刻々と
溶けていく 中澤京華
<自由詠>
なんとも
居心地のよい
城なんだと
ひとりの老いた女城主
屈託なく笑う かずみ
園芸の趣味
超えた
オープンガーデン
人々の心に
花が咲く 酒井里子
田を一つ
耕して
結び一つ
食べる
幸せ 高原郁子
Simpleを
極めれば
骨のかたち
ダイヤモンドシェイプも
かなわぬよ 佐々木斐都
笑ってる
まるい瞳の想い出は
勿忘草の花一輪
挿した足音
夢の瞬き 彩葉
桔梗の花が
導く
懐かしい場所
道の辺で
遠い記憶を辿る 中澤京華
<投稿者>
彩葉、うみやま、かずみ、酒井里子、佐々木斐都、高原郁子、中澤京華