市川五行歌会

房総文学の発祥の地、市川市で2008年春に発会しました。

第115回「市川五行歌会」ご案内

日時;2022年9月10日(土)13:30~16:30(13:00〜入室可能)

開催場所;市川市男女共同参画センター『ウィズ』

     JR市川駅、京成真間駅から徒歩5分ぐらい

      地図;市川市|市川市男女共同参画センター『ウィズ』のご案内

題詠「旅」、自由詠

出欠に関わらず、題詠一首自由詠一首の合わせて二首、もしくは題詠か自由詠のどちらか一首を歌会当日の2週間前の2022年8月27日(土)までに右記Contactの「市川五行歌会」事務局宛てメールもしくは葉書にて受付。ご案内を8月初旬に参加メンバー宛お送りします。

※尚、コロナ禍で新規感染者数の増加が予想されてますので、歌会成立の人数に達しない場合など、歌会が中止になった際も投稿作品については掲載予定です。

第114回市川五行歌会

日時;2022年6月11日(土)13:00~17:00

開催場所;市川市男女共同参画センター『ウィズ』

     JR市川駅、京成真間駅から徒歩5分ぐらい

      地図;市川市|市川市男女共同参画センター『ウィズ』

題詠「糸」、自由詠

<一席>

釣銭に

煙草の臭いの

迷い銭

君も

お尋ね者かい          彩葉

 

美しい人であれ、と

繰り返す

母の言葉は

ほどけずにいる

躾糸              彩葉

 

<二席>

なんてカラフル

おもい出の糸

酸いも甘いも

紡がれてほどけて

すべてがあたたかい       うみやま

 

 

もし

学級委員長(メルケル)が

引退しなかったら

大人しくしていただろうか

あの悪ガキは         田川宏朗

 

コンガラガッタ

赤い糸

今、するりほどけて

何本も並ぶ

私の糸物語           かずみ

 

山繭の

うすみどりの絲

白色白光(びゃくしきびゃっこう)放つ

刀の鎬のごと

勁たり艶たり          一歳

 

青い壜の

ベースコート

弱気を封じ

挑むため

爪先に          佐々木斐都

 

<三席>

弾かれた弦が

共鳴し

調和していく

ノスタルジックな曲想

時を超えた祈りの旋律    中澤京華

 

<投稿者>一歳、彩葉、うみやま、かずみ、酒井里子、佐々木斐都、田川宏朗、

     中澤京華、るい

 

 

 

 

 

 

 

第113回「市川五行歌会」(投稿作品集)

投稿歌;(題詠「月」)

題詠一首、自由詠一首の合わせて二首、もしくは題詠か自由詠のどちらか一首。

 

<題詠「月」>

 

綺麗に

見える月の

心まで

綺麗とは

限らない           高原郁子

 

なんて早いの〜

あれよ

 あれよ

あっという間に

もう・・・12月        うみやま 

 

月には

うさぎが住むという

遠き日のかたらい

幼き日のふしぎ

幼き日のとまどい         るい

 

ほぼ皆既月食

しっかり見た

60年後は

絶対いない自分に

安堵する            かずみ

 

眠れぬ夜に出会った

満月が放つ

複十文字の眩い光

その長い尾

貴方にも見せたい       酒井里子

 

壊れかけた地球の

傷痕を

浮彫にして

静かに廻ってゆく

月             佐々木斐都

 

昼下りの月

のごと

ひとたび

時が来れば

あまねく道照らせ       田川宏朗

 

束の間の休日に

ぶれた理性で

ペンを握れば

姑息な歌を

月がそそのかす          彩葉

 

うす〜く

見える

昼の月

私も気持ち

明るくなる         中澤麻祐子

 

日ごとに変化する

反射光

月の満ち欠け

見つめ

遡る時            中澤京華

 

<自由詠>

 

川明りを

頼りに

進む

一匹の

のら猫            高原郁子

 

クリスマス頃に

紅葉するかも・・・

サンタの背景はもみじ?

今までの四季を

これからも下さい。       かずみ

 

手作りカード

私も贈ろう

別れた兄弟

いてくれる友

静かな聖夜に         酒井里子

 

トーフヤの音

ヒコーキの音

皆くるくる降りてくる

この

日溜まりに         佐々木斐都

 

瀬戸内寂聴が逝く

肉と酒と

万年筆の握り方

愛したのは

let it be                                             彩葉

 

ずっと

見ている

空の色

雲の形

私の一部になって      中澤麻祐子

 

森の中

梟の声

響き渡り

夢中で走った

日が巡る           中澤京華

 

※文庫サイズの大活字本、シルバー文庫の出版社「ぺんで舎」で代表を務めている佐々木龍さん、こと漂彦龍さんからいただいた絵葉書の五行歌も併せてご紹介致します。

 

言葉が

まっすぐ

届かないのは

地球のカーブの

せいにしておく         漂彦龍

 

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<投稿者>

彩葉、うみやま、かずみ、酒井里子、佐々木斐都、高原郁子、

田川宏朗、中澤京華、中澤麻祐子、るい

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「市川五行歌会」について

コロナ禍の影響を受け、しばらく休止していた「市川五行歌会」ですが、歌会開催についてはまだ見合わせていますが、今月下旬頃に有志投稿歌でのブログ掲載の見込みが立ちました。また、メンバー及び関係者の方々にはすでに第113回「市川五行歌会」についてのご案内を送付済みです。

第113回「市川五行歌会」について

第113回「市川五行歌会」については新型コロナウイルス(COVID-19)による医療逼迫などの危機的状況の影響を受け、事務局の諸事情も立て込み、状況が落ち着いてくるまで休止することになりました。

尚、第113回のご案内については有志投稿の掲示もしくは歌会開催の見込みが立ちましたら、改めてメンバー及び関係者の方々にご連絡させていただく予定です。

 

新型コロナウイルスによるパンデミックについては、感染予防としてのワクチン接種は進みましたが、変異種デルタ株の感染拡大による油断ならない状況が続いていますので、引き続き感染防止と健康管理に気をつけ、この危機的状況を乗り越えていけますよう、心から願っています。

 

第112回「市川五行歌会」(投稿作品集)

投稿歌;(題詠「色」)

題詠一首、自由詠一首の合わせて二首、もしくは題詠か自由詠のどちらか一首。

 

<題詠「色」>

 

褪せてくすんで沈んだ

こんな世界の片隅から

こんこんと

静かに静かに

色は目覚め始めた           うみやま 

 

萌黄色のそらまめ

塩ゆでし一粒一粒

口にほうり込む

子どもの頃の夕餉は

醤油煮のお多福豆             かずみ

 

映像でもいい

月食よりも

グリーンフラッシュ

みんなで見て

幸せになろう              酒井里子

 

何て明るい

バタの色

朝の食卓に過る

微かな翳をも

ぬりこめる              佐々木斐都

 

雲を流すのは

誰か

緑に音をつくるのは

誰か

夏風                 彩葉

 

鮮やかな虹の色彩

広がる夢の余韻

心に残し

刻々と

溶けていく             中澤京華

 

<自由詠>

 

なんとも

居心地のよい

城なんだと

ひとりの老いた女城主

屈託なく笑う            かずみ

 

園芸の趣味

超えた

オープンガーデン

人々の心に

花が咲く              酒井里子

 

田を一つ

耕して

結び一つ

食べる

幸せ                高原郁子

 

Simpleを

極めれば

骨のかたち

ダイヤモンドシェイプも

かなわぬよ             佐々木斐都

 

笑ってる

まるい瞳の想い出は

勿忘草の花一輪

挿した足音

夢の瞬き              彩葉

 

桔梗の花が

導く

懐かしい場所

道の辺で

遠い記憶を辿る           中澤京華

 

<投稿者>

彩葉、うみやま、かずみ、酒井里子、佐々木斐都、高原郁子、中澤京華

 

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第111回「市川五行歌会」(投稿作品集)

投稿歌1首(題詠「道」もしくは自由詠)

 

<題詠「道」>

 

道草をして

帰る

子供達に

暖を

もらう                高原郁子

 

神への畏敬の念

辿れば

祖母ありし日

道端の庚申塔

合掌した思い出            酒井里子

 

パラ聖火走者にエントリーして

通勤経路を

徒歩にした二年前

いま消えかける

オリパラの火             田川宏朗

 

何度もあった別れ道

あっちあっちと選んでいても

結局

ここに

なったのかしら            西本祥子

 

道は

願いによって

支えられ

努力と誠意を

結んでいく              中澤京華

 

<自由詠>

 

どんどん弱くなる

冷たい父の手を

にぎりながら

見送ることばは

ただありがとう            うみやま

 

朱金の光波

滲ませ

天空の風にとける

妖月光の

切先                 一歳

 

読み疲れて

挿む

みずいろの栞

連々と続く

日々にも               佐々木斐都

 

風の微熱に

春を読み

ペン先向ける

詠み人知らずの

桜花                  彩葉

 

<投稿者>

一歳、彩葉、うみやま、酒井里子、佐々木斐都、高原郁子、

田川宏朗、中澤京華、西本祥子

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