市川五行歌会

房総文学の発祥の地、市川市で2008年春に発会しました。

第121回「市川五行歌会」

日時;2024年3月2日(土)13:00~16:30

開催場所;市川市男女共同参画センター『ウィズ』研修室C

JR市川駅、京成真間駅から徒歩5分ぐらい

      地図;市川市|市川市男女共同参画センター『ウィズ』

題詠「温」、自由詠

 

<一席>

次々と

ラインに

文字があふれて

急ぐ返信に

心がこぼれた          るい

 

<二席>

酒の温みは

男の慕情

広い背中に

恋した

女の記憶           彩葉

 

車窓から眺める

夕焼けの

カクテル色を

傾けて

数分の酔い         彩葉

 

無数の

奇跡で生まれた

この星に

温暖化など知らん顔の

王様ばかりが今     佐々木斐都

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ Other ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

青く透き通った

ハブラシ

その軽さを

かざして

今日に向かう       佐々木斐都

 

たいへん、

たいへん、

温(あった)かくなってる

咲かなくっちゃ!

アタシたち        田川宏朗

 

やっと五十肩

こき使って

すまなかったね

こき使うぞ

これからも         田川宏朗

 

心の棘を

ひっこ抜く

その穴に

とろとろの

茶碗蒸し流す        かずみ

 

娘との温度差

埋まることないか

時代の流れ

大人になった私と老いた私

お互いの愛を感じつつ    かずみ

 

身をすべり込ませて

足先の痛みに

温もりが

届いても

ささくれている        るい

 

柔らかな雨に濡れ

花枝びっしり

雨雫浮かべて

梅の花

移りゆく光陰        中澤京華

 

冷え切った

心もからだも

温かさを求めるから

あたたかな場所

見つかりますように      中澤京華

 

<欠席歌>

あなた 愛しています

愛してくれますか

殺してもいいですか

殺されてくれますか

ヒロシマ モナムール       一歳

 

本阿弥光悦

温かな筆蹟

顔真卿

臨書で

習ったか           酒井里子

 

<投稿者>

彩葉、かずみ、酒井里子、佐々木斐都、田川宏朗、中澤京華、るい、一歳

※次回は2024年6月1日(土)に開催予定。題詠「巡」、自由詠。

近くなったら、改めてご案内致します。