市川五行歌会

房総文学の発祥の地、市川市で2008年春に発会しました。

第118回「市川五行歌会」

日時;2023年6月10日(土)13:30~16:30

開催場所;市川市男女共同参画センター『ウィズ』研修室C

     JR市川駅、京成真間駅から徒歩5分ぐらい

      地図;市川市|市川市男女共同参画センター『ウィズ』

題詠「扉」、自由詠

 

<一席>

夜の回転扉

ぬけだして

闇に溶け込む

ミッドナイトブルーの

コート          佐々木斐都

 

<二席>

曇った心を

くぐり抜ける

言葉は

私が折った

紙飛行機              彩葉

 

<三席>

バタンバタン

開いたり閉じたり

夏をしっかりひらいて

四季を区切ってよ

宇宙の扉           かずみ

 

悲しみに

悲しみがおぶさって

昨日より

さらに

扉は重い            るい

 

月夜の扉は

押すより敲くが

絵になるけれど

私は透っと

通り抜けたい        酒井里子

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ Other ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

石の言葉では

閉ざされる

心の扉

合鍵を

笑顔に忍ばせる         彩葉

 

白い琺瑯

漂う

クレゾールの匂い

町はずれにあった

診療所           佐々木斐都

 

カロン

まころん

発音も

姿も似てる

かわいいお八つ        酒井里子

 

きっときっと

何かが変わる

そぉ〜と

扉を開けて

始めるんだ          うみやま

 

山法師が

空に向かって

希望を掲げるように

緑陰で披露する

白い手裏剣          中澤京華

 

四姉妹の

伊豆の旅

三年分の逢いたさ

詰めた

嬉しい旅            かずみ

 

身をよじらせて

グロリオーサ

話してごらん今までのこと

わたしはあなたの

ため息を聞いたよ        るい

 

厚い壁と扉で

仕切られた

見えない世界

目の前にして思案する

鍵を探すべきかどうかと    中澤京華

 

<投稿者>

彩葉、うみやま、かずみ、酒井里子、佐々木斐都、中澤京華、るい

※次回は2023年9月9日(土)に開催予定。題詠「庭」、自由詠。

近くなったら、改めてご案内致します。